LICHT

BUCKET ON CHAIN

ベルリンを拠点に活動する建築家で、日本の建築事務所SANAAで働いていたこともあるサム・シャーメイエフは、個人的に最も注目している家具デザイナーでもある。近作の家具コレクション「Beasts」ではその造形感覚に圧倒されたが、一方で家具の存在そのものを疑ってみせるクリエイションにも惹かれる。バケツを使った一連の作品のうちのひとつ「Bucket On Chain」は、サイドテーブルがもつ機能はバケツによって代替可能であることを示すアイロニカルなレディメイド作品。2022年、ミラノで開催された「F / A FakeAuthentic」展で観た時、崩れ落ちそうになるほど衝撃を受けた。シャーメイエフは今年、吸盤などで自動車に設置することで家具の機能を果たすツールのコレクション「cars and the public joy」を発表し、同様のコンセプトを発展させている。

Sam Chermayeff （サム・シャーメイエフ）は、ベルリンとニューヨークを拠点にする建築家。 建築事務所June 14 Meyer-Grohbrügge & ChermayeffとSam Chermayeff Officeの設立パートナー兼ディレクターを務め、ベルリンの大型集合住宅からニューヨークの小さな住宅、家具に至るまで、幅広いプロジェクトに取り組んでいる。

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