








LIVIA CHAIR
こちらの商品は現行品(Standard)となります。
Gio Pontiが1973年に発表したLivia Chair。イタリア・パドヴァ大学のために設計されたこの椅子は、公共性を意識し堅牢性と軽快な佇まいを両立させることが求められました。素材の厚みや接合部の処理に至るまで徹底的に設計を吟味し、構造上必要な強度を保ちつつ、視覚的な透明感とリズムを生み出しました。これは建築家としての視点をプロダクトに応用した、Ponti特有のアプローチです。
さらにPontiの創意が表れているのは、椅子そのものを“軽やかな建築”と見なす視点です。家具を単なる道具としてではなく、空間との対話を生む存在として捉えていました。Livia Chairもまた、使用される空間の中で静かに調和しながら、確かな存在感を放ちます。ディテールには細心の注意が払われており、目立たぬ中に気品が宿っています。
Gio Pontiは常に「軽さ」や「優雅さ」といった抽象的価値を、具体的なデザイン言語へと翻訳する術に長けていました。名作のスーパーレジェーラと同じくLivia Chairもその好例であり、椅子という日常的なオブジェクトの中に、建築的な秩序と詩的な感性が見事に共存しています。それは単なる椅子ではなく、Gio Pontiという思想家が導き出した、静謐なるデザインの答えとも言えるでしょう。
ジオ・ポンティ(Gio Ponti)は1921年、ミラノ工科大学建築学部を卒業し、ミラノにて他の建築家と共同で事務所を立ち上げる。1923年から1930年にかけ、イタリアの陶磁器メーカー、リチャード・ジノリでアートディレクターを務め、1928年には雑誌ドムスを創刊し、初代編集長を務めた。イタリアのデザイン史を語る上で欠かすことのできない人物。代表作に1951年発表の椅子スーペルレッジェーラ、ミラノのピレリ・ビル(イタリア語版)(構造家、ピエール・ルイージ・ネルヴィと共同)、デンバー美術館北館(1971年、アメリカ合衆国・コロラド州)などがある。
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STANDARD
Livia Chair
W400 D460 H840 SH450
Gio Ponti / L'Abbate / 1937 / Italy / Beech wood