






RECORD BOWL
ロンドンを拠点とするデザイナー、ポール・コックスエッジ(Paul Cocksedge)による、レコードを素材とするフルーツボウル。デザイナーによるサイン入りの25台限定エディション。
表面に傷がつき廃棄となってしまった12インチのレコード盤。それらが処理されてしまう前に回収され、フルーツボウルとして新たな命が与えられた。加熱成形された2枚のレコード盤が組み合わさり、機能的なボウルをかたちづくる。表面に時折見られる傷は、そのレコードが実際に役目を果たしてきた証拠だ。
情報を「蓄える」ことに特化したこの円盤状の素材は、役目を終えたレコードに再び「受け皿」としての役割を与える試みである。音の振動を刻んできたメディアは、今度は重みや湿度、果実の香りといった身体的な情報を静かに受け止める。情報とモノの関係がデジタルへと加速度的に移行する中で、この再構成されたボウルは、「記録」ではなく「受容」の器としての新たな価値を示すだろう。それぞれ違う音楽の記憶を留め、手仕事を経て製作される作品には、ひとつとして同じものが存在しない。記録媒体であったものを新たな素材として捉え再利用する柔軟な思考は、物を大量に生産し続ける現代の産業へ疑問を投げかけると共に、都市におけるこれからのクラフトの在り方をも提示しているようだ。
ポール・コックスエッジ(Paul Cocksedge, 1978年生まれ)はロンドン東部・ハックニーを拠点に活動するアーティスト/デザイナー。シェフィールド・ハルラム大学で工業デザインを学んだ後、ロンドン王立芸術学院(RCA)で修士号を取得し、2004年に同学院卒業生のジョアナ・ピニョとともにポール・コックスエッジ・スタジオを設立。公共アートから建築インスタレーションまで幅広く手がけ、科学的探究心に基づく素材への非伝統的なアプローチで知られる。光や色、質量を通じて他者とのコミュニケーションの瞬間を生み出すことを重視している。
実際のレコードをアップサイクルしているため、ラベルは一つ一つ異なります。また、表面に細かな傷が見られる場合があります。現物を確認してのご指定は承っておりません。予めご了承ください。
10月上旬配送予定。25台限定の販売につき、数量に達し次第終了いたします。
現行品のスタンダード、ヴィンテージとも後世に残るプロダクトをセレクトしています。永続的な使用を達成するためにリヒト サポートをご一読ください。
STANDARD
Record Bowl
300φ H90
Paul Cocksedge / UK / Vinyl Record / 2024